どんなことにおいてもメリット・デメリットは付き物です。2017年に行われる都市ガス自由化にもメリット・デメリットがいくつかあると考えられます。
都市ガス自由化でどのようなメリットがあって、どのようなデメリットに気をつけなくてはいけないのか確認しましょう。
目次
都市ガス自由化によるメリット
都市ガス自由化によってどのようなメリットがあるのかはガスの消費者である限り、知って損はないことです。
2016年4月に電力の自由化がされましたが、電力自由化の時と同じようなメリットが都市ガス自由化でも期待できると思います。
メリット①:ガス料金の値下げ
都市ガスが自由化されると都市ガス会社と新規参入してきた会社の競争が生まれます。その競争で大きな鍵を握るのはガス料金でしょう。
安いガス料金プランに消費者は飛びつきます。なので企業間ではいくらガス料金を値下げできるかが勝負になりそうです。
電気料金に比べてガス料金は半分ほどです。そのため、料金の差というものは微々たるものになる可能性もありますが、どこかの企業が格安プランを打ち出すことは間違いありません。
メリット②:サービス向上
先も述べたように、自由化後は料金の値下げが予測できます。しかし、もともとあまり高く設定されていないガス料金は値段だけの競い合いだけではなかなか差がつきません。
そのため、料金よりもサービスの質を売りにしてくる会社もたくさんあるでしょう。
メリット③:料金メニューの多様化
さまざまな新規参入が見込まれますので、都市ガス事業者の数だけ新プランがあると考えていいでしょう。プランが豊富にあるということは、お客様にあったガス料金プランを探すことができるということになります。
メリット④:ガス管整備の広がり
意外にも都市ガスの普及率は半分にとどまっており、もう半分の世帯はプロパンガスを使用しています。プロパンガスと都市ガスはほとんど変わらないにも関わらず、プロパンガスの方が数倍高い値段設定にされています。
都市ガスを使えない理由の多くが、ガス管が通っていないからという理由です。
都市ガス自由化以降、導管分離が進められればガス管の整備も進められていくはずです。
都市ガス自由化によるデメリット
意外にも都市ガス自由化によってデメリットが発生する場合があります。もちろんメリットの方が多いですが、デメリットがあることも把握しなくてはいけません。
デメリット①:都市と地方のガス選択の格差
都市部には多くの都市ガス事業者がガス管を通して都市ガスの提供をすることが予想されますが、地方ですと新規参入してくる事業者は都市部に比べると少ないことが予想されます。
それでなくても地方はまだまだガス管が整備されていないので、いくら都市ガスが自由化されたとしてもガス管が通っていない地域の方には関係のないことになってしまいます。
このように地方と都市部では選択肢の格差が発生してしまいます。
デメリット②:ガス料金値上がりの可能性
先ほどメリット①でガス料金の値下がりを挙げましたが、実は値上がりしてしまう可能性もあります。
まず、ガス料金の値下がりの大前提として、これまで法律で守られてきたガス料金を法律の保護下からはずして、都市ガス事業者のコスト削減の努力があって成り立つ値下がりです。
そのため、もし海外から輸入している都市ガスの原料の液化天然ガスの価格が何かの影響で値上がりしてしまったら、もちろん都市ガス料金も値上がりしてしまいます。