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電力自由化とガス自由化の相違点と共通点

電力自由化とガスの自由化は、似ているようで似ていない部分があります。似ている部分と違っている部分を知っておくことで、実は自由化というものにも違いがあるんだなと感じられるかもしれません。似ている部分と違う部分、それぞれにガスならではの理由があります。
パイプ

ガス自由化後の同時同量制度

 

ガス導管の使い方は送電線のやり方と同じ

 
 自由化によって、参入してくる企業は、同時同量制度を利用してガスを供給することになります。この供給方法については、電力自由化と大体同じものです。電力自由化の場合は、作っている電力会社のネットワークを利用して、電気を供給できるようにしていますが、ガス自由化でも同じことを行う予定となっています。

 ガスを提供するパイプラインは、既にガス会社が持っているものであり、これをガス会社がまずは利用します。自由化で参入することになった企業は、このラインを利用して供給するようにして、ガスを与えることになりますが、需要と供給の量が同じようにならなければなりません。同時同量制度は、同時の量を供給できるようにする制度ですが、ガスのほうが実現しやすいところもあります。

 電気の場合は、ばらつきが発生しているなどの問題も出ていますが、ガスの場合は備蓄しやすいものが多いために、需要と供給のラインを調整して、10%以内に収める形で提供することが容易にできるのです。

 

貯蔵しやすいガスは同時同量制がとりやすい

 先程も記載したとおり、ガスは貯蔵量をある程度持っていることや、LNGの貯蓄する姿勢が多くあることから、ガスを蓄えておくことが簡単にできます。同時同量制度を利用する際は、需要と供給の数字が10%以内になっていなければならず、超えてしまった場合は問題になります。ただ、電気と違って供給量が急激に下がることはないので、同時同量制度は取りやすいです。

 既に蓄えられているものはたくさん用意されており、これを出すことによって需要のバランスを調整することができます。ガスの量は、必要とされている時にいっぱい出して、あまりいらない場合は減らすようにしていきます。こうして同時同量制度を取っていくと、どうしても大量に必要な場面が出てきますが、貯蓄できる量が多いために問題が起こりづらいのです。

 同時同量制度を採用することは、供給のバランスを調整できることのメリットが有ります。基本的に採用する可能性が高くなっており、ガスのほうが使いやすい制度でもあります。

新規参入は電力会社が有利

電力会社
 

自由化後はガス事業者が3階層に再編成される

 ガス事業を行うところは、ガス自由化によって編成が変更されます。従来まで利用されている制度を変更して、3段階に変えられることになっています。1つはLNGを貯蓄して、実際にガスを出すことができるところで、これをLNG基地事業と呼びます。ここが電力会社に該当する場所になり、ガスを供給することになります。

 次に、送配電部分に該当する物があります。ガスの場合は、ガス導管事業という名前になり、ガスの供給に必要なラインを構築することとなります。ここは、2つに分かれており、一般的なガス導管事業と、特別ガス導管事業になります。どちらも必要な許可が必要となっていますが、特別のものについては、届け出でも可能になっていることがあります。

 最後にガスの小売事業という部分になります。こちらが自由化されることによって、多く入ってくるとされている部分です。ガスの小売事業は、とにかく他のところに負けないサービスを提供して、安く提供できるようにします。

 

二重導管規制の緩和が電力会社の求めるもの

 電力会社は、自前でLNGの貯蓄施設を持っています。ここからガスを供給して、火力発電をしていることが多いのですが、これをガスの事業にも使うことは、基本的に問題となる行為です。ガス自由化によって、小売業者に入ることとなった電力事業者は、ガス会社が提供するラインを使わなければならないのですが、電力会社は独自のものを利用したいと考えています。

 これを、二重導管規制と呼び、2重に同じ導管が存在することを規制しているものです。電力会社は、独自に作ったものを利用したいところですが、2つ存在していることは規制の対象となっており、供給することができません。従って、この制度の緩和を求めており、独自に提供できるシステムを採用したいと考えています。

 既に貯蓄されているガスを利用して、なるべくなら自分たちが持っているパイプラインを利用して、供給できる制度を行いたいのが電力会社の思いです。これが実現されることになれば、電力会社はかなり有利になります。

スイッチングシステム

スイッチングシステム
 

スイッチングシステムとは

 電力事業者は、ガスの自由化に対して、もう1つの変更を要望しています。それがスイッチングシステムであり、簡単に切り替えることができる制度として使われています。電力自由化は、既に取り入れられているシステムであり、契約変更までにかかる時間を短縮して、すぐにでも供給できる状態を作ることができます。

 ガス自由化では、このシステムを導入するかどうかが決まっていません。そして、仮に導入することになったとしても、スイッチングシステム自体の方法もわからないために、実際には要望しているところであり、検討の途中です。電力会社としては、なるべく電力自由化と同じような状態にしてもらい、切り替えを早めにしてもらいたいという狙いがあります。

 時間がかかってしまうと、それだけ供給にかかる時間も増えてしまいます。なるべく多くならないように、短時間で切り替えを実現できるスイッチングシステムの導入は、ぜひとも行いたいと願うのが電力事業者なのです。

 

電力会社はスイッチングシステムの導入を要望

 電力事業者が、スイッチングシステムを導入したいと思っているのが、セットによる契約を促進したい狙いがあります。早めに切り替えることができれば、それだけ料金を安くできる制度を構築できることから、スイッチングシステムを導入して速やかに切り替えを行って、使いやすいようにするサービスを実現したいのです。

 切り替えを早めることによって、自分たちが持っているラインからすぐに供給を開始して、しかも切り替えについては簡単にできるようになります。セット割を利用する場合でも、すぐに切り替えが可能であることを示していれば、スイッチングシステムによって多くの人が契約をしてくれることになり、ガス自由化でも有利に立つことができるのです。

 こうした点から、電力事業者はスイッチングシステムを導入して欲しいと思っています。そして、なるべく早い段階でこうしたシステムが使えるようになり、セット割引などを併用して、少しでも電力事業で抜けてしまった人を呼び戻したい狙いもあります。

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